文化としての牧場

 東京23区内にある唯一の牧場:小泉牧場を訪問しました。

 関越自動車道大泉ジャンクションの近くにある小泉牧場周辺は、正に農と都市とが共生している場所。周囲は都営団地をはじめ一般住宅地が立ち並び、大きな銀杏の木がランドマークの小泉牧場の前は、帰宅時の児童生徒やビジネスマン、そして大学生等が行き交い、小泉牧場特製のアイスクリームを食べて行く人もおり、正に地域の牧場として皆に愛されているといった感じでした。

通常であれば、牛の堆肥が臭い!蠅が多い、牛の鳴き声がうるさい!など、都市部での農業、特に畜産をやって行くのは、経営面よりも地域からの理解を貰うのが大変!

 そんな中、小泉さんは「現代社会では、マイナーとなった牛の堆肥の臭いは問題となるが、メジャーであるの自動車の排ガスの臭いは問題にならない。危ないのはどっち!」

 その発言に、われわれ現代人の価値観が狂ってしまっていることに気づかせられました。

 毎日飲む牛乳、その牛乳がどのようにして生産され、自分たちに届くのかは?小泉牧場を訪問すれば直ぐに解明出来ます。

 そういった意味では、小泉牧場は、都会の農業学校であり、文化であると思いました。


 最近の知識優先のテレビなどのマスメディアの影響か?例えば牛乳のこと(効用、乳脂率等)については、皆さんそこそこ知っていますが、放牧した牛が何故時間になると搾乳場へ戻って来るのか?何故1日2回乳を搾らばければならないのか?牛の乳首がいくつあるのか?ホルシュタインとジャージーの違いは?

 それらのことはテレビではなかなか知りえないことです。

 見て、臭いをかいで、味わい、触れ、そして牧場主から話しを聞き、五感を働かせ学ぶことで、しっかりとした知識となり、そしてそれが知恵として発展して行くのだ思いました。