障害者と健常者とは、お互いが特別に区別されることなく、社会生活を共にするのが正常なことであり、本来の望ましい姿であるとする「ノーマライゼーション」の考え方は、現在の日本でも少しずつ一般化してきましたが、現実の社会の状況は、ノーマライゼーションにほど遠く、進んでいるのは設備のバリアフリー化といったハード面の改良ばかりのように見受けます。
また、最大の理解者であり支援者である親を亡くした後の障害者の暮らしを考える場合、施設建設から始まることの多い従来の障害者施策では、彼らの要求に応え、彼らに人として生きる喜びを提供できるのか、大いに疑問です。
このような状況の中で、障害者の生活を真にノーマライズするには、障害者が、地域の中で、地域の一員となって、地域すべての人と、互いの違いを認め合い、支え合い、共に働き、人間らしい喜びと誇りを感じながら、安心して学び生きることのできるユニバーサル社会を構築することが必要不可欠です。
そこで私たちは、地域住民から理解や協力が得やすい中山間地域をフィールドに、その豊かな自然の下で皆が一緒になって取り組む農園芸活動を通じて、障害者が労働の喜びを感じながら、そしてそれを支援する人たちが生甲斐を感じながら、安心して暮らせるユニバーサル社会を創ろうと考えました。
目的を実現するためには、国、県、市そして各種団体などの諸制度を有効に活用する必要があり、そのためには何らかの法人資格を持つ必要があります。また、多くの人達や機関と協力しながら事業を展開しなければなりません。こうしたことを検討した結果、私たちは、特定非営利活動法人UNEを設立することと致しました。